極北日記 Make Oneself Life.

ある日入り込んでしまった人生の極北トンネル。その出口を見つけるまで。

0001ただ、家事と育児をしていたかっただけなのに

すべてが限界だったんだ。気付けば車に乗って家を飛び出していた。子どもが寝静まった後、夫と二人きりのリビングにいることに耐えきれなくなり、思わず車でドライブに出たのである。あれ、眠剤どのほど飲んだんだっけ、確か缶ビールも食事の時に飲んでいなかったっけ。車を走らせてからしばらくして思い出すも、途中で引き返すための判断力さえもう私にはなかった。とにかく、あの家にいたくなかったんだ。普段から薬を飲んでも眠れなかった私は、眠くなったら帰ることにした。

冷え切った空気。家事と育児と仕事の両立ができずに空回り。助けてと言えないし、言ったとしても、うんざり顔の手伝ってやってる感が虚しくなるだけだった。夫の許容範囲以上のことをお願いしようものならば、文句たらたらで断られ、しまいには「手伝ってやってるだろ」といわれる。私だって働いているのになぜ、家事も育児もするのが当たり前で、夫は手伝う側なのだろう。そう問い詰めたときもあった。「稼ぎが違うだろ」そういわれた。

夫は、子どものことは消して嫌いではないのだろうが、学校のことや部活動のことには無関心だ。平日しか休みが取れないこともあり、同僚に迷惑かけて休んでまで行くほどのことじゃないと思っている。ましてや、自分がしてもらえなかったことを、どうやってしたらいいのかさえ分からないのだろう。

熱血イクメンパパになれと言ってるわけではない。ただ、一家の主ならば妻と子どもを養ってくれよと、それだけのことなのに、金が足りないのは私の家計管理能力がないからだという。時短パートにして節約に励んだところで、結局限界が来てフルタイムにする。フルタイムにすることで、今度はお惣菜やらコインランドリーの乾燥機など、家事をする時間をお金で支払うようになり、なんのために働いているのかわからなくなる状態である。

私は1つのことしかできないタイプだ。結婚するときにも夫に伝えていた。不景気の影響が出始めボーナスがカットになってからも、夫は自分の給料で養っていけると思っていたのだろう。というより、俺の収入でなんとかやっていけと思っていたのだろう。

やっていけるわけがないだろう?

夫が休みの日、次の日仕事に行くのが嫌だといい、金さえあれば主夫になってもいいようなことを言ったので、世間体を気にしないのであれば、ぜひそうしてくれと私は夫と契約を交わした。「夫の給料を私が超えることができたのなら、夫は専業主夫になる」と。あの頃はまだ、男性の育児休暇取得率さえ1%満たないころだった。それでも夫はイエスと言ったのだ。

なのになんで?

私はただ、仕事なんてせずに家事と育児だけに専念したいだけなのに、なぜこんな風になってしまったんだろう。




201706